Gemini in Looker の会話分析を利用してみた

はじめに

GMO NIKKOのK.A.です。

先日、プレビュー版が公開された「Gemini in Looker」 の「会話分析(Conversational Analytics)機能」を実際に使って試してみる機会がありましたので、その利用方法と使用感についてレビューさせて頂きます。

Chat with your business data – Conversational Analytics comes to Gemini in Looker September 17, 2024

Gemini in Looker とは

Gemini in Lookerは、Gemini for Google Cloud ポートフォリオのプロダクトで、生成 AI による支援を受けながらデータの処理を行うことができます。

※参考:Gemini in Looker の概要

Gemini in Looker は Looker Studio に組み込まれており、利用するためには、Looker Studio Proのサブスクリプションが必要です。Looker Studio Proは、ユーザー 1 人あたりの月額料金 9 ドルの料金体系のようですが、組織での利用の場合、30 日間無料で試すことができるため、今回はこちらを利用しています。

※参考:Looker Studio Pro を試す

Looker Studio Pro サブスクリプションの追加方法

Looker Studio のページにログインして、右上の設定ボタンをクリックすると設定ダイアログが表示されます。

左側のナビゲーションで [Pro サブスクリプション] を開き、[サブスクリプションを追加] をクリックすると、Google Cloudのプロジェクトを選択して、任意のユーザーに付与することができるようになります。

また、同じ画面で「Looker 内 Gemini」を開いて、 「Gemini in Looker」 を有効にしてください。

※参考:Pro の新しいサブスクリプションを開始する

会話分析の利用例

Gemini in Looker の主な機能として、「計算フィールドの作成」や「スライドの自動作成」といった機能もありますが、今回は、新しく利用できるようになった「会話分析(Conversational Analytics)」だけ試してみます。

LookerStudioの左サイドメニューの「会話分析」をクリックすると、会話分析の画面に遷移します。

最初にまず、使用するデータを選択します。「+データに接続します」をクリックします。

 

BiqQueryやLookerにも簡単に接続が可能になっていますが、今回は事前に用意したスプレッドシートのサンプルデータに接続してみます。

LookerStudioのデータソースの選択と同じような画面が開くので、分析したいスプレッドシートを選択します。

データソースの内容なども確認できます

「会話に追加」ボタンをクリック

データに接続された状態で、「会話分析」のチャット入力画面が開きます

日本語で質問を入力してみます。

日本語は、まだ未対応のはずですが、おそらくGeminiが解釈してくれて、回答を出力してくれました。

「分析情報」「算出方法」を開いてみると、こんな感じで英語で説明文が表示されます。

「分析情報」で、グラフ化したデータ内容のサマリコメントが確認できます。

「算出方法」では、集計条件の内容を確認できます。もし、集計する対象のカラムが間違っていた場合などは「編集」ボタンをクリックして変更することも可能です。

続いて「レポートで開く」をクリックすると、別ウィンドウでLookerStudioのレポート画面が開いて、同じグラフが出力されました

また「グラフの種類を編集」をクリックすると、右側にウィンドウが開き、変更したいグラフの種類が選択できます。

ドーナツグラフを選択すると、瞬時に切り替わります。

会話分析機能についての感想、所感、まとめ

  • 英語のみ対応(日本語でも動作するが、英語のほうが精度は高いはず)

    • 日本語で入力すると、ある程度の解釈は可能だが、返信は英語のみ
    • 今後、多言語対応する見通し
  • BigQueryにも簡単に接続できるText-to-SQLの実行環境

    • 非エンジニアにとって、スポットでの調査や集計の際に便利そう
    • 質問の際は、期間や出力してほしい項目を明確に指示する必要があるため、最初は結果が正しいかどうかを確認するほうがベター

現時点のプレビュー版の会話分析機能では、課金してまで使う価値は低いかもしれませんが、BigQueryにデータを集約している組織にとっては、データの民主化を実現する一つの手段となり得ます。今後の機能追加や多言語対応には注目していきたいです。