2022年10月からのGCP料金改定まとめ

こんにちは。
GMOアドマーケティングの@zakisanbaimanです。

2022年3月14日、GCPの公式ブログにて2022年10月からの料金体系のアップデートが発表されました。
GCPを使っているサービスにとっては結構インパクトありそうな内容でしたのでブログとしてまとめておきます。

※この情報は2022年3月30日時点のもので、これから改定内容が変わることがあり得ますのでご了承ください。

改定対象のサービス

変わるのは以下のサービスになります。

  1. Cloud Storage
  2. Cloud Load Balancing
  3. 永続ディスクのスナップショット
  4. Network Intelligence Center

今回は調査した上3つのみ記載します。
(Network Intelligence Centerの改定に関しては詳しく調査していないため)

1. Cloud Storage

GCPユーザの内Cloud Storageを利用している方は多いのではないでしょうか。
データの保存先や、システム間の連携場所として非常に使い勝手の良いオブジェクトストレージですが、料金体系が一番大きく変わっているので注目です。

1-1. 保存時のストレージ料金

データ保存機能に対する料金です。
マルチ/デュアルリージョンの1GBあたりの月額料金が変わります。

▼以下はasiaのマルチリージョンに関する改定内容です

NearlineとColdlineが値上げし、代わりにArchiveが値下げになっています。

▼以下はasiaのデュアルリージョンに関する改定内容です

Standard、Nearline、Coldlineが値上げし、代わりにArchiveが値下げになっています。

以上から、保存料金に関してはArchiveクラスの積極採用や値上げが少ないリージョン(USなど)への移行を積極的に採用していくと良いのかなと思います。

1-2. オペレーション料金

オペレーション料金とは、Cloud Storage上へのバケット作成や権限設定などといった操作に対する料金です。
ちなみにオペレーションにはクラスAとクラスBがあり、それぞれで料金が異なります。

クラスAオペレーション

・バケットの作成
・オブジェクトのアップロード
・バケット権限の設定
・オブジェクト権限の削除
など

クラスBオペレーション

・オブジェクトのダウンロード
・メタデータの表示
・バケット権限とオブジェクト権限の取得
など

両クラスでそれぞれ料金が改定されるのですが、ここではクラスAの改定についてのみ触れます。

▼以下はマルチ/デュアルリージョンのクラスAオペレーション10,000回あたりの料金

クラスAオペレーションが軒並み2倍以上になっています。
(特にColdlineが大きく値上がり)
保存料金の方が動いている金額が多くなりやすく印象からこぼれがちですが、オペレーション料金も少し意識したほうが良さそうです。

1-3. リージョン間のレプリケーション料金

マルチ/デュアルリージョンを使っている際、リージョン間でレプリケーションが走ります。
このレプリケーションは現時点で無料なのですが、改定後は1GBあたり$0.02~$0.08かかることになります。

▼1GBあたりの料金

1-4. 下り(外向き)ネットワーク料金

改定前は同じ大陸内でのマルチ/デュアルリージョンからの下り(外向き)トラフィックに関しては課金されませんでしたが、改定後は$0.08/GB(asiaリージョンの場合)かかるようになります。

以上がCloud Storageに関する改定内容でした。

2. Cloud Load Balancing

続いてLBについてです。
改定前では上りトラフィック料金にのみ課金され、下りには課金されていませんが、改定後は上りと同じ料金が課金されるようになります。
東京リージョンの場合は$0.012/GBです。

3. 永続ディスクのスナップショット

スナップショットはCompute Engine内の機能で、永続ディスクのバックアップを取得し、データの復元に利用できます。
バックアップ用に定期的にスナップショットを取得する運用をしているサービスも多いのではないでしょうか。
変更点は以下の通りとなります。

3-1. 標準スナップショットの料金

1か月あたり $0.026/GB → $0.065/GB と2.5倍に上がります。(USマルチリージョンの場合)

3-2. アーカイブスナップショットの料金

アーカイブスナップショット自体は2022年後半に導入予定の新機能のようです。
1か月あたり $0.024/GB(USマルチリージョンの場合)とリーズナブルですが、ディスクを作成する場合のデータアクセスに$0.024/GB(USマルチリージョンの場合)かかります。

3-3. 下り(外向き)ネットワークの料金の変更

GCSの下りネットワークに関する料金変更と同じです。

まとめ

  1. Cloud Storageは値上げ対象のストレージクラスが多い
  2. →Archiveクラス化、USリージョン化、シングルリージョン化を積極的に検討

  3. Load Balancingは下り料金が発生
  4. →内部LBの計算方法を参考に試算しておく

  5. スナップショット値上げ
  6. →新機能のアーカイブスナップショット検討

  7. 2022.10以降は請求明細を要チェック

参考

GCP公式発表