GMOアドマーケティングの新卒エンジニアが入社してからの3ヶ月間を振り返ってみる

はじめに

はじめまして、22新卒でGMOアドマーケティング(以下GMOAM)に入社しました、天河と申します!

この度、入社して数ヶ月で学習したことをテックブログにアウトプットするという使命をいただき、晴れてこの記事を執筆することになりました😊
これを皮切りに定期的にアウトプットしていきますので期待してください!
執筆者天河についてはこちらの記事を見てくださると嬉しいです(スキがもらえるともっと嬉しいです)




本記事では、GMOAMに入社して3ヶ月のうちに行われた研修のうち、エンジニアを対象に行われた

  • GMOAMエンジニア研修
  • GMO Technology Boot Camp
  • OJT

こちらの3つの研修について行ったことの紹介と、天河が学んだこと感じたことを書いていきます。

目次

GMOAMエンジニア研修

目的

研修後に配属される部署でスムーズに業務を行えるために必要なスキルをメインに学びました。

研修内容

コーディング研修

チーム開発する上で重要となる「理解しやすいコード」を書く方法を学習しました(2日間)。
教材はリーダブルコードを使用しました。

書籍:リーダブルコード
著者:Dustin Boswell, Trevor Foucher 著 / 角 征典 訳
出版社:オライリージャパン

  • 命名
    • 汎用的な名前は避け、「情報量が多い」単語を使用する(例:find -> search, extractなど)
    • 変数名に情報を加える
  • 一意性
    • 曖昧な言語は使わない
    • 最大値、最小値などの表現はわかりやすく
  • コードの形
    • 形式は揃える(インデント, スペース)
  • コメント
    • コードを見ればわかる情報をコメントで書かない
    • 書くなら簡潔に、書くべきこと(コードだけではわからないこと)を書く
Git / GitHub研修

バージョン管理ツール Git GitHubの使い方を一通り学習してコードの共有の仕方について学習しました(2日間)。

  • Git, GitHubなどのバージョン管理ツールの概念
  • Gitのコマンドの使い方, 用途
    • git status, git switch, etc...
  • GitHubとのやりとり
    • git push, git pull, etc…
  • コンフリクトの解消方法
  • コミットの取り消し
    • git reset, git revert, git rebase
MySQL研修

GMOAMで使用されているMySQLの概念や使い方を学習しました(2日間)。

  • DBの種類について
    • RDB, KVS などなど
  • 基本コマンドの学習
    • DBの作成, 選択, 削除
    • テーブルの作成, 削除
    • 基本文
      • SELECT, UPDATE, DELETE, INSERT
      • WHERE句, IN句, LIKE句
    • テーブル定義の変更方法
    • トランザクション, インデックス, 外部キー
    • JOIN, UNION, GROUP BY
Webアプリケーション研修(Ruby on Rails)

Rubyのフレームワーク、Ruby on Railsを通してアプリケーションを作成し、言語使用を学習しました(2週間)。
使用した教材は 「現場で使える Ruby on Rails 5 速習実践ガイド」です。

書籍:現場で使える Ruby on Rails 5速習実践ガイド
著者:大場寧子、 松本拓也、 櫻井達生、 小田井優、 大塚隆弘、 依光奏江、 銭神裕宜、 小芝美由紀
出版社:マイナビ出版


  • Rubyの基本文法の学習
    • 与えられた課題を通してRubyの言語仕様に慣れる
  • Ruby on Railsを使用したタスク管理ツールの開発
    • Railsの言語仕様の学習
    • dockerを使ったRubyの環境構築
    • 参考書のTODOリストアプリに独自の機能を追加する

学んだこと・感じたこと

  • コーディング研修では「いいコードの書き方」を体系的に学びました。
    アルバイトなどでチーム開発した経験はあったため、ある程度コーディングの方法は意識していたのですが

    「他の人が読めるか」
    「半年後の自分がわかるか」

    などを意識して書いてみると、できていないところがありました。この研修を通して自分のコードの書き方を見直せてよかったです。

  • WEBアプリケーション研修では初学のRubyをフレームワークを通して学習したのですが、フレームワーク内で色々やってくれすぎて「なんでこうなるの??」となることが多かったです。
    天河はこの研修で「日報の自動作成機能」を実装したのですが、これを実装している時に

    やりたい」 から「できる」までの差(=技術的な差, 実装までの時間)

    を出来るだけ配属までに縮めていかないといけないな、と思いました。

まとめ

GMOAMで働く上で必要となる知識を体系的に知ることができ、業務をする際に習得すべきところと自学するところが判明してよかったです。

GMO Technology Boot Camp(GTB)

概要

  • GMOインターネットグループ横断のエンジニア・クリエイター職向けの研修です(GMOサイバーセキュリティイエラエ、GMOペイメントゲートウェイは非参加)。
  • 3週間にわたって「GMOのエンジニア・クリエイターとして」働く上で必要とされる知識を学びました。
  • 内容は大きく「座学の時間」と「チーム開発の時間」に分かれていました。

目的

  • サービス開発に関する体系的な知識と経験を身につけること
  • 人と働く上でHRT(= H: Humility 謙虚, R: Respect 尊敬, T: Trust 信頼)を忘れず効果的なチーム作りをしていくことを目指すこと

スケジュール

チーム開発

GTBのチーム分けはアルゴリズムで最適化されており、そのチーム分けの方法を元に振り分けられたメンバーとテーマに沿ったサービスの考案を行い、その案をチーム開発の時間でプロダクトとして形にしていきました。

参考:GMO Develoers「開発者向け新卒研修のチーム分けをアルゴリズムで最適化する取り組みを始めた話」

アイデアが固まった後に、各チームで原案とそのエレベータピッチを発表する「アイデアレビュー会」があり、発表する1週間前に進捗を確認する「中間レビュー会」、そして成果発表会に向けてプロダクトの完成とプレゼンの準備を行いました。
そして最終日の成果発表会では、来ていただいた役員・先輩パートナーが

  • 技術力: 難度・開発速度などの総合
  • 表現力: 意匠・UI・UXなどの総合
  • 企画力: 差別化・新規性などの総合


の3軸をもとに6段階で評価し、その平均点で順位づけしました。
総合1位だったチームにはGMO Developer Daysで登壇できるというご褒美付きでした!!!


今年のテーマは「自由」ということで、各チームいろんな案が出ました。
せっかくなので各チームで出てきたプロダクト案を紹介したいと思います!

キャラ育成 × FinTech 奇跡の融合「ちょきんせい」

お金を貯めたいけどつい使っちゃう高校生以上の消費者向けの貯金 × キャラ育成ゲーム。ゲーム内でキャラクターに対して擬似的に課金することで、萌えキャラを育てながら貯金もできるアプリ。

ユーザーは「妖精を元の姿に戻してあげる」という使命のもと、可愛いキャラクター達にご飯を擬似的に買ってあげることで目標額のお金が貯めることができる。

内部技術にGMOあおぞらネット銀行のAPIを利用しており、あおぞらネット銀行の新規口座開設、使い分け口座の利用促進も見込んでいる。競合サービスの『finbee』との違いとして、キャラを愛でることにより「貯金」という意識を逃しつつ、貯金の可視化ができることを挙げている。

廃課金?ノンノン、廃貯金!

声でつながるマッチングアプリ「wave」

ソーシャルな露出(ネットで顔出しなど)をせずに出会いを探したい異性・同性の声に魅力を感じる、26~34歳の男女向けの通話機能のない、己の声のみから始まるマッチングサービス。

ユーザーは声の好き嫌いで話したい相手にアクションを送ることができ、通話から始まるマッチングアプリ『koely』とは違い、使い続けることで自分の好きな傾向の音声の学習データが蓄積され、レコメンドが最適化される機能が備わっていることが特徴。

ありそうでなかった、会話ベースでなく声そのものをマッチングの素材とするプロダクト。PRで声優さんに参加してもらったらオタクがヨダレ垂らして喜びそうなアプリ。

違うな〜と思った写真はNG!「Awamori」

共有されたくない写真をSNSで晒されてしまうという課題を解決する、NG写真発見アルバムサービス。SNSを積極的に利用しており、 SNSにあげる写真の選別にストレスを感じている20代前半女性をターゲットとしている。

ユーザーは、SNSで公開される前に写真をアップして良いかの意思表示ができ、GoogleフォトやLINE内のアルバムのサービスとは違って、ユーザーが言いづらいことを柔らかく伝え、誰もが穏やかにSNSを利用できるようになることをストロングポイントとしている。

たまにLINEのアルバムでとんでもなく自分の顔の映りが悪い写真を見つけた時の怒りにも似た、名前が存在しない感情を無くしてくれそうな期待がある。

褒めた人にも注目しよう「ほめじょーじ」

褒められる人だけでなく、たくさん褒める人にも注目し社内のエンゲージメントを高めたい会社を対象にしたコミュニケーションプラットフォーム。

ユーザーは、お互いを褒めるメッセージに共感のリアクションを行うことができ、Unipos, RECOG, TUNAGなどのサービスとは違って褒めた人にも褒め上手ポイントが蓄積され注目される機能が備わっている事を特徴としている。

アンミカが即殿堂入りしそうなアプリ。

位置情報つきアルバムサービス「emoreco」

大切な写真を分かりやすく残したい・楽しみながら記録を続けたい、写真をこまめに撮るアウトドア志向の20~30代女性向けの位置情報付き思い出記録サービス。

ユーザーは思い出の地に写真やその時の感情を埋め込み、その写真を撮影した場所で開封することで思い出をよりリアルに振り返ることができる。競合であるマップシェアサービス『Diground』とは違って、位置情報をより活用したギミックと、楽しみながら写真の記録を続けられるUIが備わっていることが特徴。

プロダクトの完成度も素晴らしかったが、個人的に「エモレコ」というネーミングセンスがなかなかシビれるなと思った。

うんこ育てよう「うんこーん」

身近な人との心の距離を縮めたい、トイレにケータイを持ち込むZ世代向けの通信型の育成アプリ。

ユーザーは「うんちなう」ボタンを押してフレンドと「うんち通知」を送り合うことができ、Instagramのストーリーズとは違って、キャラクターを成長させて楽しむことができる機能が備わっている。うんちという最強の羞恥感情トリガーをコミュニケーションツールに活用するという超攻めたプロダクト。

THE「クソ」アプリ。このチームのメンバーはプロダクトを制作するにあたって「うんち」ととことん向き合い、チームのLINEグループで会話の途中でいきなり「うんちなう」とメッセージをぶっ込む実験をする、うんこミュージアムに行ってうんちの造形やそのデザイン、エンタメとしてのうんちを研究するなど、非常にうんちに対する熱意やターゲット分析がしっかりしていてすごかった。

超身内向けレビューアプリ「iDo」

これは天河のチームの成果物です!天河のチームは超身内向けレビュー共有アプリサービス「iDo」を作成しました。


このサービスのエレベータピッチは以下のように設定しました。

エレベータピッチ
「iDo」というサービスは、
嫌な思いをせずに良いものを楽しみたい、
20代で選択に失敗したくない人向けのレビュー共有サービスです。
価格.comなどの口コミサイトやLINE, TwitterなどのSNSとは異なりレビューの共有に特化しており、
フォロワー間だけでそのレビューを共有できるため 信憑性も担保されていることが特徴です。

コンセプト
  • レビューを投稿し、そのレビューはFF同士の人のレビュータイムラインだけに流れるといった閉鎖的な仕様にしました。
  • フォロワーをグループ分けし、レビューを見せたい or 見たい人を設定できるなどの独自機能があります。
  • 承認要求目当てのフォロワー数のかさましをなくすため、フォロワー数を見えないようにしました。

技術スタック

フロントエンド:Vue.js
バックエンド:Rails
データベース:MySQL
ファイルストレージ:Cloudinary
サーバ, インフラ:Conoha, Docker

バックエンドはAPIサーバにして, フロントとの接続は axios経由で行いました。

チームのメンバー構成

フロントエンドエンジニア:1人(天河!!)
サーバサイドエンジニア:3人
UIデザイナー:1人

デザイナーの方が学生の時にUIデザインを専攻しており、その上で能力評価が満点でした。実際に出来上がったモックアップもさすが抜群のデザインセンスで、開発中もテンション爆上がりでした。
また、サーバサイドのエンジニアのメンバーは開発経験がある方が2人いて、これは良い結果を期待できるな〜と、アイデアレビューの段階で思っていました。

結果

全7チーム中、第7位でした。




えっ! ビリ!!!!!!!???????????????

なぜ最下位になったのか

問題点は挙げるとキリがありません。

  • 開発メンバーの連携が全く取れていなかった
    チーム全体の方針のズレがありました。ゆるくやってそれなりのプロダクトを作る or ガチ勢極めて全力で1位を狙いにいく人たちでの衝突がありました(しかもお互い譲らない)。
    また、プロダクトの方針のブレもありました。ある日ボツになった機能案が急に再浮上する事象が多発し、エンジニア勢がおろおろしている場面もありました。
  • コミュニケーション不足
    各メンバーのできることを開発に入る前に共有していたとはいえ、「できない」事のレベルがどこまで「できない」のかをしっかりヒアリングせずタスクの振り分けをしたことにより、手が完全に止まっているメンバーがいました。
    開発が出来ないのであれば「スクラムマスター」や「プロダクトオーナー」となって、プロダクトの完成に向けてマネジメントの役割を振り分けるべきでした。
  • メンバーの能力の総和を超えたプロダクト案
    上記の二つの原因が重なった結果、完全にキャパオーバーなプロダクト案をもとに開発を行なっていました。
    どの機能を切り捨ててどの機能を必ず入れるか、を考えないで「一発逆転超絶多機能!」で方針を変えず突き進んだ結果、色々中途半端になってしました。

これらが重なった結果、僕たちのチームは全チームで唯一の未完成での成果発表会となりました。
ZOOMで発表する時間に無言の時間が5分間あるなど、なかなか強烈な体験をしました。

学んだこと

  • 座学の面では、エンジニア・クリエイターとして必要とされている知識を体系的に学ぶことができて非常に有意義な時間でした(特にGMOインターネットの成瀬さんの講義はわかりやすくて感動でした)。
  • チーム開発する上で大事なのは、開発能力以外にもたくさんあるということを学びました。
    優勝したチームはうんこ育成するゲーム「うんこーん」を作成したチームでしたが、そのチームはプロダクトの完成度もさることながら、プロダクト愛がすごかったです。
    (ゲーム内で登場するキャラクターのステッカーを自作したり、展示ブースを用意したり、プロダクト発表用の動画を作成していた、etc…)

一位の「うんこーん」のブース。特設展示会?って思うくらいのクオリティ


  • 優勝したチーム以外も、非常に素晴らしいプロダクトで溢れており、プロダクトそのものだけでなくその「良さを伝える手法」に工も夫を凝らしており、一目で
    「あっ自分たちのチームにはこういうのが全然ない…」
    と意気消沈していました。
  • 困ったら助けを呼ぶことは「やりたい」と「できる」を埋める最短の道なので最初は全力で頼っていく
  • ビリを取るのはつらい。これ大事。

OJT

天河 はTAXELという自社プロダクトを扱う部署に配属され、そこでOJTを受けました。

TAXELとは、国内唯一のSSP機能を搭載したレコメンドウィジェットです。メディアの閲覧者の回遊率を上げることを目的とし、ユーザーの行動分析やコンテンツそのものの解析を行って、閲覧者の興味・関心にマッチしたコンテンツをおすすめします。
またSSP機能を搭載していることにより常に最適な広告を提供することが可能となり、より高い収益をあげることができます。

参考:TAXEL公式サイト

目的

仮配属される部署で、本配属後にスムーズに業務に入れるよう、一通りの業務の流れ、決まりを学びました。

内容

  • TAXELの管理画面の修正
    • メディア検索機能の改善
    • 売上グラフの表示の仕様の変更
  • TAXELを搭載するメディアの登録作業

学んだこと

  • 焦って色々手を出すのではなく、一つ一つ業務を丁寧にこなすことが大切
    天河は(GTBから日が浅く心に傷を負っていたのもあって)タスクを何個もこなして成長したい(?)と息巻いていました。でもバディの方から

    「最初は手順通りにやることが大切。スピードを求めるのは確実に正確にできるようになってから」
    「仕事は信用の積み重ねなので、ミスを起こして信用を失うことで振られるタスクが減ることが問題。丁寧にやることを心がけてほしい」

    と仕事をする上で大事なことをたくさん教えていただきました。

  • 自分の「今」できることを伸ばしていき、そのあとに徐々にできることを増やしていくことが大切
    TAXELチームのスクラムマスターから、色々なことを手を出すよりは、今できることを伸ばしていきつつ、他の業務に関する幅広い知識を身につけることが大事(T型スキル)と教えていただきました。

さいごに

GMOAMに入社した当初、インターンやアルバイト経験があるため、そんなに仕事を行なっていくことに苦労はしないと思っていました。
しかしGTBやOJTにて自分に今足りないところや、考えを改めないといけないことがたくさんわかりました。早めに様々な幻想を打ち砕いておいたことはいいことかもしれません 笑
これらの研修を受けて、日々の業務の中で自分のできることを伸ばし+増やし、GMOAMにエンジニアとして組織の売上、成長大きく貢献できる人材になっていきたいとより強く思いました。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました😊