費用ベースの確約利用割引(Flexible CUD)について

この記事は GMOアドマーケティング Advent Calendar 2022 10日目の記事です。

こんにちは。
GMOアドマーケティングの@zakisanbaimanです。

2022/11/5のGCP公式ブログ「Flexible committed use discounts — a simple new way to discount Compute Engine instances」にて「費用ベースの確約利用割引(Flexible CUD)」が発表されました。
従来は「リソースベースの確約利用割引」のみでしたが、種類が1つ増えることになります。
一体何が違うのか、使い分けについて調べてみました。

リソースベースの確約利用割引(既存)

以前から存在するリソースベースの確約利用割引はvCPUやメモリなどの各種リソース使用量を1年or3年単位で確約することで割引を受けることができます。
こちらはCompute Engineのみですが1年契約で最大37%、3年契約で最大55%の割引とかなり大きいため、VMインスタンスでサービスを年単位で運用している方にはベターな設定だと思います。

費用ベースの確約利用割引(New)

それに対して新しく追加された費用ベースの確約利用割引は、1時間毎に利用する料金を1年or3年単位で確約することで割引を受けることができます。
リソースの種類やコア数などを確定しなくていいためリソースベースに比べると柔軟ですが、割引率としては少し下がってしまいます。
1年契約で最大28%、3年間に渡って確約すれば最大46%の割引を受けることができます。

以下は比較表になります。

リソースベース 費用ベース
割引率 1年契約で最大37%
3年契約で55%
1年契約で最大28%
3年契約で46%
コミットメント単位 以下のリソース単位
・vCPU(コア数)
・メモリ(GB)
・GPU(個数)
・ローカルSSD(個数)
1時間あたりに利用する金額単位
対象サービス ・Compute Engineのみ ・Compute Engine
・Cloud SQL
・Cloud Spanner
・Google Cloud VMware Engine
・Cloud Run
・Google Kubernetes Engine

割引率はリソースベースの方が高いですが、適用できるケースが限られ、またリソースの種類が固定化されてしまうという制限があります。
対して費用ベースは割引率こそやや落ちますが、Compute Engine以外にも適用でき、リソースの種類を変更しても問題ないため、構成変更に柔軟に対応できます。

Compute Engineにおける購入基準

Compute Engineに確約利用割引を設定する場合、Googleは以下の優先順位での設定を推奨しています。

  1. 確実に使うVMインスタンスに関してはリソースベースのコミットメントを購入
  2. リソースタイプやコア数などが変動する可能性がある場合には費用ベースのコミットメントを購入
  3. 残りのVMにSpotVMを適用する

Compute Engine以外の購入基準

Compute Engine以外にはリソースベースの確約利用割引は適用されないため、シンプルに毎時間どれだけ使いそうか利用料を推定し、費用ベースの確約利用割引を購入するだけで良さそうです。

気をつけるべきこと

  • 確約した利用料分は実際に利用しなくても請求されるため、 確実に使う分だけ購入する(※途中解約不可)
  • リソースベース適用対象になっている分には費用ベースは適用されないため、リソースベース以外で毎時間いくら使いそうか考える

購入方法

既存のリソースベースの確約利用割引はCompute Engineの画面から設定していましたが、費用ベースの場合は「お支払い -> 確約利用割引(CUD) -> 購入」から設定できます。

画像は設定画面です。

まとめ

新しい確約利用割引、皆さんはどのような印象を持ったでしょうか?
これまで割引できなかった費用に対しても割引可能となるため、自分は是非試していきたいと思いました。
円安などでサーバ費用も馬鹿にならない今日この頃ですが、新しい割引やリーズナブルなプランも続々と出ているためアンテナを張って活用していきたいです。

最後までお読み頂きありがとうございました!

参考

GCP公式ブログ「Flexible committed use discounts — a simple new way to discount Compute Engine instances」
G-gen Tech Blog「確約利用割引(Compute Engine)を解説。AWSとの違いも確認」


明日は@yoshishinさんによる「Google Cloud Workflowsで日付を指定して実行する」です。
引き続き、GMOアドマーケティング Advent Calendar 2022 をお楽しみください!

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