AWS SAPを取得したら視野が広がった話

この記事は GMOアドマーケティング Advent Calendar 2021 23日目の記事です。

こんにちは、GMOアドマーケティング インフラ開発部のhakumaiです。
前回の記事「無事故でPostgreSQLバージョンアップ兼Cloud SQLへ移行した話」を読んでいただいた方々、ありがとうございます。

こんにちは、GMOアドマーケティング インフラ開発部のhakumaiです。前回の記事「AWSエンジニアから見たGCPサービス(DB/ストレージ編)」を読んでいただいた方々、ありがとうございます。今回は、GCPのマネージドサービスであるCloud SQLへPostgreSQLのバージョンアップも兼ねて無事故で移行した時に思ったこと・気づいたことがたくさんあったので、それについてお話しいたします。移行の経緯約1年前、女子向けメディア「めるも」はオンプレ環境からGCPへほぼ既存構成のまま移行をし(lift)、その後現在までマネージドサービスへの移行を...


今回は、プライベートでAWS認定試験「ソリューションアーキテクト – プロフェッショナル」(通称:SAP)を取得し勉強していく中でアーキテクトとしての視野が広がったので、勉強のコツも含めてお話しいたします。

きっかけ

きっかけは今年2月末にGCPのPCAを取得したこともあり、「であればSAPも」と軽い気持ちで思ったことがきっかけです。
また、SAPの試験範囲を確認したところ、クラウドへの移行や組織としてのAWSアカウントの管理など自分には知見がない+業務でも経験がない範囲があったので、インフラアーキテクトとしての知見を少しでも広げられたらと思い、受験を決意しました。

試験の出題範囲

  • 組織の複雑さに対応する設計:12.5%
  • 新しいソリューションの設計:31%
  • 移行の計画:15%
  • コスト管理:12.5%
  • 既存ソリューションの継続的な改善:29%
AWS SAAやGCP PCAと違い、組織のインフラ責任者という立場からの視点や、クラウド移行/ハイブリット環境での最適なアーキテクチャを導き出す視点がより伴われる出題範囲となっていました。

試験概要

  • 試験時間:180 分
  • 問題数:75 問
  • 試験料:300 USD
  • 合格点:750/1000
ここでもAWS SAA/GCP PCAとは違い、問題数が多くより長丁場の試験となります。
また、合格点に関してもAWS SAAは720に対し750とやや高くなっているため、合格のための難易度も上がります。

hakumaiのSAP受験前スペック

SAP受験前のわたしのスペックは以下になります。

  • インフラ業務経験:約4年(AWS:2年(前職)、GCP:1年半(現職))
  • AWSについては業務でインフラアーキテクチャの設計/構築をメインで担当した経験あり。(VPC/Subnet/IGW/NatGW/SG/ELB/ECS/RDS…)
  • 2019年 AWS SAA取得
  • 2021年2月 GCP PCA取得
クラウド環境での設計/構築は前職のときに経験していましたが、オンプレからクラウドへの移行/ハイブリット環境などでのアーキテクチャ設計は経験がありませんでした。
また、AWSアカウントの管理についても、AWS Organizationsを使った複数アカウントの一括管理などの経験はなく、あくまでクロスアカウントアクセスでのアカウント間の権限委譲までの経験しかありませんでした。

合格までの道のり

勉強方法について

資格の勉強はいつも、 「参考書などでインプット→模擬試験を2,3回解いて知識が不足している部分のインプット」という流れで私は勉強しているので、SAPでも以下のように勉強しました。

  • 参考書を一周熟読
  • 参考書の模擬試験+公式の模擬試験を解く
  • 参考書の模擬試験+公式の模擬試験の2週目
  • Udemyで模擬試験を購入し、3回分解く(一部2週しました)
    • 英語版でしたが、Google翻訳を使いつつ解きました
模擬試験を解き、解答を確認する時には間違えた選択肢だけではなく他の選択肢も確認し、知らないAWSサービスや用語があったら地道に調べていました。
知らないAWSサービスについては、試験範囲がかなり広く全てのAWSサービスを覚えたりするのは現実的ではないため、重要そうなサービス(Direct Connect/Active Directory/DynamoDB/Cloud Front/Kinesis/移行サポートサービスなど)になるべく的を絞って調べていました。
また、模擬試験を1週終えたところで、解いていて理解しきれていないと感じたサービスの概要や重要な機能などについて、公式のドキュメントやBlackBeltを読みつつスプレッドシートにまとめていました。

苦労したところ

個人的には、やはり知見がなかった以下の分野をインプットするのに苦労しました。
  • AWS Organizationsを使った組織としての複数アカウントの管理
  • 移行をサポートするAWSマネージドサービス/コネクトサービス周り
  • ハイブリット環境でのAD設定/フェデレーションのユースケース
  • 複数VPCをピアリングした上での効率的なDNSレコード管理
本試験でもそうですが、全75問・その中の8割以上が長文問題という体力を使う試験なので、同様な形式の模擬試験を解いて解説を読むことも想像以上に時間がかかりました。
また、SAAとは違って「シニアアーキテクト」「組織のインフラ責任者」と問題文で自身の立場が仮定され、複数の要件やプロジェクト状況を踏まえて複数サービスを組み合わせた最適なソリューションを選択することがほとんどだったので、問題文を読んで「要件は何か/セキュリティや費用など何を重要視しているのか/何を目的にして何を達成したいのか」を瞬時に見極め、SAAよりも1つ上の視点で最適なソリューションを導き出すことに慣れるまで大変でした。

試験当日

オンラインでも受験できますが、テストセンターの方が環境が整っていて慣れているので、お馴染みの秋葉原のテストセンターにて受験しました。
試験は想像よりも難しく初見の問題がほとんどだったため1回絶望しましたが、最後まで諦めず試験の回答を続けました。(迷った時は消去法で答えを導きだしていました。また、知らないサービスの機能に出会った時は「AWSだったらこうしているだろう」と数年AWSを触ってきた嗅覚を元に答えを出していました。)
試験終了後、「年明けに再度受験しよう」と半ば諦めつつ試験終了ボタンを押したところ、合格の文字が出ましたが驚きのあまり一瞬思考停止しました。(半日後に合格のデジタルバッチがメールで届くまでは、実は見間違えていたのではと落ち着きませんでした。)

試験合格後

半日後ぐらいにはスコアレポートや合格のデジタルバッチが見れるようになっていました。
スコアは780程度とギリギリではありますが、さまざまな合格体験記で「1回目は不合格でした」という記事を目にしていた中で、一発で取れたのでとても嬉しかったです。

おわりに

長くなってしまいましたが、AWS SAPの合格体験記について紹介しました。
今回普段の業務では使っていないAWSのSAPを取得しましたが、要件の見極めそれに対する最適なアーキテクチャの考え方やインフラアーキテクトとしてのより広域な視点/考え方を試験勉強を通して学ぶことができ、それが自分にとっての一番の収穫でした。
普段の業務はGCPを使っていますが、SAPの試験勉強を通して得られた視点や考え方は引き続き活かしていきたいと思います。


明日はR.Yさんによる「p5.jsで動くゲーム風読み込み画面作ってみた」に関しての記事です。

引き続き、GMOアドマーケティング Advent Calendar 2021 をお楽しみください!

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