この記事は GMOアドマーケティング Advent Calendar 2022 15日目の記事です。
はじめに
こんにちは。
GMOアドマーケティングのKONCEです。
エンジニアは日々の仕事で、上司やディレクターに仕様や実装を説明したり、営業に操作説明を行ったりなど「伝える」業務はわりと多くあるかと思います。
僕自身はコミュニケーションは嫌いではないのでこういった業務も嫌いではないです。もちろん逆の方もいるかと思います。今回は「伝える」についてテクニックなど考えてみてみたいと思います。
書籍を参考にしてみる
上記に嫌いではないと書きましたが、別にそれが上手いという自信があるわけではありませんし、特別にトレーニングを積んだといったこともありません、勘だけでやっていくのも良くないので書籍を参考にしてみます。
本書籍は「説明する」をプランニング、ライティング、デリバリーに分け説明力を上げるためのテクニック例とともに紹介されています。SI分野の例も記載されていてとても参考になります。
今回はあくまで自社開発の僕の立場で考えていきます。
(引用元:翔泳社「エンジニアを説明上手にする本 相手に応じた技術情報や知識の伝え方」著者:開米 瑞浩
https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798147598)
大まかな流れ
「伝える」を考えるにあたって 熱意があれば伝わる みたいな考えもあると思いますが、リモートワークで対面がないことや業務上チャットツールを使うことはあると思いますので、
今回は抑えておきたいポイントとして
に分解して順に考えてみたいと思います。
ゴールを考える
「伝える」技術を考える上で自分自身の普段のちょっとした業務に当てはめて考えてみます。
シチュエーション
普段の業務で「伝える」が発生するのはどういったときでしょうか。
- エンジニアに設計・実装を説明・相談するとき
- 営業に操作方法を指示するとき
- 問い合わせや障害の経緯と解決策(再発防止策)の報告をするとき
など、自社開発エンジニアの普段のちょっとした業務でも「伝える」が発生する機会は多く感じます。
ゴール
では上記で挙げた例でみるとそれぞれのゴールはなんでしょうか。
- より良い設計・実装にする
- 営業が操作方法を理解する
- 問い合わせ・障害が解決する
といったようにちょっとした業務でもゴールが変わります。ゴールが違うのですからそれぞれにあった伝え方があるはずです。
書籍では
プランニングというのは、ソースから成果までの全体像を把握することで、「誰(ターゲット)に、どんな成果を出させたいのか」をイメージすることが重要です。
(2.4 「説明」のプロセスを考える p.75)
説明をプランニング、ライティング、デリバリーに分けたとき、プランニングの作業をスタート/ゴール/ルートを決めることとあります。上で挙げてみたちょっとした業務内でプレゼンテーションのようにコンテンツを用意することは少なく感じますが、目的のために適切に伝えるためにはゴールを明確にすることが重要なのを確認できます。
プランニング | スタート/ゴール/ルートを考える |
ライティング | 材料出し/コンテンツ化 |
デリバリー | 口頭説明 |
相手(ターゲット)を考える
専門知識のない相手に説明する時、どんなようごを使うかは常にIT技術者の頭を悩ます問題です。不要な専門用語はできるだけ減らした方がよいものの、一切使わずに書くのも不可能です、そこで重要になってくるのが「ターゲット」の分析です。
(1.5 場面に応じて「ターゲット」を分析する習慣を持とう p.39)
書籍では相手はどんな人か?通じる用語は?どんな関心を持っている?どんな価値観を持っている?どんな状態にしたいか?と分析すべき内容を紹介してくれています。
僕の自社開発のエンジニアの立場で見れば、社外の人へ説明する場面は限られますので基本的には営業 or ディレクター or エンジニア といった具合に伝える相手は分けて考えます。そこからこの人は〜について深く知っているからとか、相手(ターゲット)を考えることが重要そうです。
極端にいえば相手に寄せて「ヤバいから」で伝わればそれもアリだとは思います。相手に寄せることありきですが。
普段の業務で相手を考える時に意識している例
言い換えができないか考える
レスポンス→受け取るなど(極端ですが…)
画像、図、動画を使う
操作方法など共有するときにスクリーンショットに①②〜と順番を書くとかだけでもわかりやすくなる
対面 or 非対面
スピード感次第、対面でグイグイ来られるのを嫌う人もいる
…
コンテンツを考える
分類と構造化
4項目以上あれば分類を考える
(1.2 説明力向上のための超基本の大原則「分類してラベルをつける」 p.8)
構造化により2種類のフレームワークを見つけよう
(1.4 上級ビジネスパーソンに話をするための十箇条 p.29)
伝える内容は整理されていると伝わりやすいかと思います。整理のための分類・構造化が出来ると良さそうです。
分類(ラベリング)
量の多い情報を分類して見出し(ラベル)をつけること。例えば箇条書きが4項目以上あると読者の集中力が下がるため分類します。基本的に伝える内容を考えるときに分類する習慣があると良さそうです。
構造化
分類してラベルをつけ、要素間の関連性がわかるようにすることとされています。生の情報を構造化し、図表に落とし込んで伝えます。普段の業務で口頭やチャットツールでの文面も構造化されて順序が整理されていると伝える力が強くなるように感じます。
例
今回発生した障害について報告します。今回発生した一部媒体での広告表示不具合は3/9にリリースした機能が原因で、影響範囲は配信全体、影響額は粗利10万円ほどで補填金額は3万円です。15時にリリース、問い合わせにより16時に障害を確認、17時にrevertし現在は正常に稼働しています。再発防止策として関連箇所の監視及び通知機能を強化します。
みたいな上司に障害を報告するといった普段の業務で発生するかもしれない文章を試しに分類・構造化してみます。(WordPress的に箇条書きになってしまい申し訳ありません)
- 障害内容
- 一部媒体での広告表示不具合
- 原因
- 3/9にリリースした機能
- 影響範囲
- サービス
- 配信全体
- 金額
- 粗利10万円
- 補填金額3万円
- サービス
- 対応
- 復旧方法
- 対象リリースのrevertを行った
- 復旧方法
- 再発防止策
- 関連箇所の監視、通知の強化機能の実装
- 時系列
- 3/9 14:00 リリース完了
- 3/9 15:00 問合せにより障害を確認
- 3/9 16:00 revertし復旧
と言ったような感じになると思います。今回のターゲットは上司、ゴールは正確な情報を伝え再発防止するといったところかと思います。横並びの文章より整理されてわかりやすいです。
ここまでまとめ
シチュエーション・ゴール・伝える相手(ターゲット)を考え、内容は分類・構造化して伝えるということを確認しました。口頭でのコミュニケーションならこれらの上に熱意・温度感が乗ってくると思います。
まだまだ書籍ではプレゼンテーションの口頭テクニックや分類・構造化のパターンの紹介などこの記事で紹介しきれない内容がたくさんありますのでそれぞれ確認してみて下さい。
最後に
今回は「伝える」について調べ、考えてみました。日常の業務では口頭で上記のような内容を行うのは日々の訓練がいると感じます。
見切り発車的に伝える内容の精査を行ってない状態で話すことはちょっとした業務だったらやってしまうこともありますが、「あの人が言っていることよく分からない」となることはメリットないと思っているため、今後も磨いていきたい内容に思えました。
明日は@zakisanbaimanさんによる「CronJobを手軽に修正&再実行する方法」です。
引き続き、 GMOアドマーケティング Advent Calendar 2022 をお楽しみください!
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