Windows11にアップグレードしたいのでPCもアップグレードしてみた(GPU編)

インフラを担当しているGMOアドマーケティングのK.Aです。
前回からの続きとなります。前回の記事は下記より参照下さい。

https://techblog.gmo-ap.jp/2021/11/30/windows11no1/

https://techblog.gmo-ap.jp/2022/04/20/windows11no2/

GPUの選択肢

仮想通貨のマイニングブームや、eスポーツなどで1秒を争うゲームなどを支えているグラフィックボード。近年でも10万円を超えるハイエンドな商品が発売日に軒並み売り切れ、中々低価格化が進まないパーツの一つです。

AMD の Radeon と NVIDIA の GeForce が市場を席捲している中、Intelが24年ぶりにディスクリートGPU「Intel Arc A380」を一般向けに店頭販売を開始しました。1998年4月に登場したi740以来の出来事です。

先行して中国では既に販売されていましたが、日本でもようやく9月26日に ASRock から「Intel Arc A380 Challenger ITX 6GB OC」という製品が発売となりました。
ただし、名前にもあるように「Challenger」の意味合いが強いと思われます。

本命は翌日9月27日に発表されたハイエンド向け製品の「Intel Arc A770」で、想定販売価格は329ドル(約4万7600円)と発表されました。
これでIntelもAMD同様に、CPU+GPU構成のプラットフォームを持つことでユーザを囲い込めるようになりました。

Windows11でのシステム要件

意外にも動かすだけなら DirectX 12 以上 (WDDM 2.0 ドライバー) に対応してればOK。DirectX 12 対応となるのは 2010年頃に発売された GeForce GT 430 や Radeon HD 5450 ですが、問題となるのは、WDDM(Windows Device Driver Model)2.0対応のデバイスドライバが存在しない可能性が高いと思われます。

そもそも WDDM 2.0 は Windows 10でサポートが始まりました。それ以前のWindows 8 までは WDDM 1.3 までしかサポートしていなかったので、グラフィックスカードを供給しているベンダが後追いで WDDM 2.0対応デバイスドライバを提供していない場合、要件を満たさない事になるので注意が必要です。

必要なパフォーマンス

グラフィックボードに求められるのはその処理能力の1点に尽きるかと思います。
まずは自分が必要としている要求がどの程度なのか、十分に検討するのが間違いないです。
大体は下記の3パターンに収まると思います。

  • ゲームで遊ばないし、とりあえずWindows11が動けば良い人には、ローエンド製品もしくは、GPU内蔵のCPU。
  • ゲームも動いて欲しいが、コスパなどを重視したい人には、ミドルレンジ製品。
  • 高解像度、高リフレッシュレートで処理落ちせずにFPSなどのゲームを遊びたい人には、ハイエンド製品。

ローエンド製品

ローエンド製品の選択肢には、グラフィック機能が内蔵されたCPUも選択肢としてあり得ると思います。
グラフィック機能が搭載されたCPUを購入した方が非常にコストパフォーマンスが高いです。

グラフィックボードには、メインメモリとは別に専用のメモリを搭載しています。
ですが、CPUに内蔵されたGPUにはグラフィックス専用のメモリは存在せず、メインメモリをグラフィックメモリとして使用する点が大きく違います。
その為、デイトレーダーのように高解像度で複数のディスプレイを使いたい場合などでは、CPU内蔵グラフィックスでは力不足となり、ローエンド製品を選択する事になります。
非常に限定的な用途となる為、現在では製品も少なく、取り扱い店も少ない傾向にあります。

ミドルレンジ製品

ミドルレンジの製品が一番幅広く、自分の希望に沿った製品を選べるのではないでしょうか。
予算やグラフィックボードのサイズや冷却性能,、補助電源の有無など様々な条件を選定理由にする事ができます。
先に紹介した「Intel Arc A380」もこのレンジの商品に含まれます。

また、単純比較はできませんが、PlayStation 5がGeForce RTX 3060やRadeon RX 6600 XTと同程度、Xbox Series XがGeForce RTX 3070と同程度とも言われています。
今回は PlayStation 5 と同程度とされている GeForce RTX 3060 と Radeon RX 6600 XT から人気の製品を選んでみました。

2022年9月30日現在「GeForce RTX 3060」搭載している製品を 価格.com で検索したところ、下記の製品の人気が一番高かったです。

16位 Palit Microsystems NE63060T19K9-190AD (GeForce RTX 3060 Dual OC 12GB) LHR版 [PCIExp 12GB] ドスパラWeb限定モデル 最安値 ¥46,780

続いて「Radeon RX 6600 XT 」を搭載している製品で人気が一番高かった製品は以下の物でした。

37位 ASUS DUAL-RX6600XT-O8G [PCIExp 8GB] 最安値 ¥47,000

「GeForce RTX 3060」で取り上げた「ドスパラWeb限定モデル」には注意が必要です。
限定モデルというだけあって「ドスパラ」という販売店でしか入手できない点です。
販売店の在庫次第になりますが、売り切れて再入荷しない事も十分に考えられるので、もしこの製品を買うのであれば、早めに購入するのが良いかと思います。

ハイエンド製品

価格よりパフォーマンスを重視する人向けであり、また、その時の最上位のGPUを選択するのは勿論の事、搭載されているメモリの搭載量や動作クロックなどまで気にして購入する事になるかと思います。
そして購入時には新製品情報も十分に気を付けたいです。


折角これ以上ない最速なグラフィックボードを買っても1カ月も待たずに型落ちになってしまうより、少しでも長く最速な環境で使用し続けたいものです。
2022年9月30日現在、 NVIDIAの最上位のGPUは「GeForce RTX 3090 Ti」でした。
このGPUを搭載した製品を 価格.com で検索したところ、下記の製品の人気が一番高かったです。

12位  ZOTAC ZOTAC GAMING GeForce RTX 3090 Ti AMP Extreme Holo ZT-A30910B-10P [PCIExp 24GB] 最安値 ¥172,800

換わってAMDの最上位のGPUは「Radeon RX 6950 XT」でした。
NVIDIA同様に 価格.com で検索したところ、下記の製品の人気が一番高かったです。

28位 ASRock Radeon RX 6950 XT OC Formula 16GB [PCIExp 16GB] 最安値 ¥192,508

単純にスペックを比較してしまうと、NVIDIAの製品の方がメモリを24GB搭載しており、かつ価格が安い点が人気の順位に表れているかと思われます。

まとめ

いかがだったでしょうか。
ミドルレンジでは、PlayStation 5 や Xbox Series X がいかにコストパフォーマンスが高い製品かが分かると思います。
ただゲーム機には決められた性能の中でしかパフォーマンスを発揮できない制約があるので、それ以上のパフォーマンスを求めるユーザーにとってはハイエンド製品を搭載したPCしか選択肢がないのが現状かと思われます。